2007年06月18日

 「サイダー、ルール、ハウス」 

 

ケーブルの映画40チャンネルで1999年放映の「サイダー、ルール、ハウス」という映画を見た。、「ギルバート、グレイグ」「ショコラ」を撮った監督の作品で、どの映画も、私の好きな作品です。

 サイダーとは、アップルサイダー「林檎ジュース」のこと。りんご積みに雇われる人達が、寝泊まりする小屋に規則の紙が貼ってあるが、彼らは字が読めないので、何が書かれているかわからない。規則は、そこに住む人達で決めるもので、その中で、ルールというものが出来ていくもの。このルールとは何なのか、それがこの映画のテーマになっていて、二つの複線になっている。
 
 二つの複線を作る、主としてのルールがある。里親に引き取りてのない子供達を育てている、院長は、違法である堕胎主術を引き受けている。その費用で、子供達を養っている。人が生きていく為に、出来ることをやっていく、助けを求めている人に出来るだけの手を差し伸べることでルールが作られていく。
 


 
 メイン州、ニューオングランドで孤児達の世話をしているドクターは、毎晩、子供達に本を読んで聞かせる。話が終わると、子供達に必ずこういって休ませる。
「お休み、メインの王子様、ニューイングランドの王様」
 院長が亡くなり、院長から愛され、医者としての知識を教えられた青年が、外の世界から戻ってきて、院長の仕事を継ぐ。映画の最後のシーンで、彼は子供達のベッドの側で、本を読んで聞かせる。そして同じ言葉を子供達に言う。
「お休み、メインの王子、ニューイングランドの王様 」



 私はこの言葉を聞くと、熱いものがこみ上げてくる。私に取って、メインと聞くだけで、
ニューイングランドと聞くだけで、こみ上げてくるものがある。
 息子は、メイン州の小さな田舎町の高校の学生寮に入っていた。フライバーグという小さな町にある、煉瓦作りの学校は、緑に囲まれて、空気が澄み渡り、人々はりんごの頬をした、暖かい善良な人達ばかり。そこで出会い、交流のあった人々。卒業後も、メインの大学に入ったので、息子に取っては、メイン州、ニューイングランドは第二の故郷のような存在になっている。秋には農園で絞ったアップルサイダーがリットル瓶に詰めて売られる。手に着くとねばねばする濃厚な薄赤い色の林檎ジュースは、格別の美味しさ。ハローインが近づくと、黄色いおばけのようなカボチャが家々の玄関口や庭先に置かれる。冬のクリスマスの季節には、家々の前に趣向をこらしたクリスマスデコレーションのイルミネーションが美しい。
秋は一面燃え上がる黄色の世界。冬は雪で覆い尽くされる。湖が点在し、スプリングウオーターや、山の水でミネラルウオーターにはことかかない。牡蠣やロブスター、ウニなど新鮮な魚介類の天国だ。芸術的な手工芸品の店を見て歩くのも楽しい。

 メイン、ニューイングランド、この言葉の響きは、こよなく素晴らしい。  

Posted by アッチャン at 03:36Comments(0)映画