2008年02月24日

舟木一夫と五木ひろしのリサイタル

  


新聞屋さんが出している、無料の招待券をヤフーのオークションで、二枚3000円で購入した。無料のチケットは3階席で、差額を払えば、一階席に交換出来る。このチケットがあれば、通常よりも、チケットが安く手に入るのだが、その為に充てがわれた席は、通常料金の場所よりは悪い。耳が遠く、セルフが聞き取りにくい母の、もっぱらの楽しみは歌を聴くこと、五木ひろしの歌なら喜ぶだろうとチケットを手配した。その数日前には、舟木一夫のリサイタルに、妹と3人で、同じく新歌舞伎座まででかけていた。



 舟木のリサイタルは、一日だけということもあって、会場は満席で、空きが一つもなかった。チケットの前売り購入を頼まれて、電話での予約を入れた時にも、話し中ばかりで、やっと繋がったと思ったら、良い席は全てなく、二階の端席しかなかった。 それも夜の部が残っていただけ。舟木のフアンからの、プレゼントの数は膨大で、大きな花束や紙袋が次から次に舞台に作られた、プレゼント用の台を埋め尽くし、置く場所がなくなると舞台の袖から、係が受け取りに来るほどだった。4つの通路には、腰をかがめて順番を待つ人で一杯。舟木は各列を歌の間を縫って、プレゼントを受け取りに行く。
フアンはおとなしく、舟木の歌を聴き、握手をしてもらう為に、プレゼントを渡す順番を待っていた。一席の空きもないということは、病気も、熱も押して、何もかも犠牲にしてでも、やって来たに違いない。はるばる来た人もいるだろう。熱烈で心代わりのしないフアンだろうが、静かで、おしとやかで、おとなしい。おでかけようの服装も、宝塚調で、ほとんどが女性。
 反面、五木ひろしのリサイタルは、空席が目立ち、舟木の時に、私達が座っていた2階席のあたりはまったく開いていた。一階席も、私達の前の席は何席も空いていたので、身体の小さな母でも、舞台がよく見えた。
 五木のフアンは、ライトを揺らし、黄色い声をあげて、「ひろし」と多分言っているのだろう、聞き取れない声が。特別ゲストの堀内孝雄が出てきて、「五木さんは、すごいね。声がすごい。僕はそういう経験ありませんよ。」と。誰から小さな花束を堀内孝雄に渡すと、「これ五木さんようじゃないの。嬉しいなあ。」と言って、出番が終わると大事そうに舞台の陰に。五木ひろしへのプレゼントは、小さな花束が2つほどで、あとは紙袋ばかり、五木の汗を拭いてもらうために、ハンカチを出す人が多い。男の人も多く、夫婦連れが目立った。

道頓堀「今井」の定食


 母は「舟木さんのプレゼントは、すごかったのよ。500人くらいのプレゼントだった。」とオーバーな表現で、舟木を賞賛していた。母に取っても、舟木一夫は、特別なのだろう。それほど好きなのだろう。リサイタルが終わってからも、母の話題は、舟木のプレゼントの数の話。そういう沢山のフアンに舟木が支えられていることが、母に取っては嬉しいらしい。舟木の姿を、二階から身を乗り出して、オペラグラスを最初から最後まで離さずに見入っていた母は、「綺麗ねえ、ハンサムねえ。」と時々私に同意を求める。遠くから見ていると、確かにまだハンサムに見えるけれど、オペラグラスを通してまで、それほど美しく見える母には、他のおとなしい、熱烈なフアン同様、特別の存在、「永遠の心に秘めた恋」なのだろう。  

Posted by アッチャン at 13:55Comments(0)art