2008年05月15日

最高の人生の見つけ方

  三の宮、そごう前の薔薇


ジャック、ニコルソン主演の映画に、外れはない。ニコルソンは美男子ではないけれど、ユーモラスな表情とセクシーさがたまらない魅力になっている。
 映画の冒頭から思わず吹き出してしまった。ニコルソン演じる、金権主義の実業家に、深刻な事態が。自ら経営する病院に運ばれる。個室はないのかと秘書にくってかかるが、二人部屋は実益を図って、彼が決めた病院の規則。隣のベッドには、家族が頻繁に見舞いにやってくる黒人の患者がいる。

 

 共に末期の癌患者で、余命幾ばくもないと宣告された二人は、気持ちが通じ合うようになる。
「病院の中で、奇跡に近い治療に身を任すよりも、抗ガン剤が効いている間に、やり残した希望を実現しよう。お金ならいくらでもある。」と孤独なニコルソンは、歴史家になりたい夢を断念して、家族の為に40年間自動車整備工として働いてきた、モーガン、フリーマン演ずる、カーターに誘いをかける。

    映画館の傍にあるイタリアンランチ
                               

 二人の愉快な世界中をかける旅が始まる。二人はかけがいのない友人関係に。
 この二人、ユーモラスで洒落た会話が絶えない。笑いながら、涙も溢れて止まらない。二人のキャラクターの組合わせ、演技の静かな火花の散らせ方、やはり、ニコルソンが出演している映画は外れがなかった。
 お金がなければ、ああは出来ないわね、と一緒に行った友人が言う。
お金があっても、命が宣告され、死ぬまでの時間がないと出来ないわ、と私が答える。
 階段から真っ逆さまに落ちた父のことを思いながら、、、。意識不明のままだった。

 

お金があり、余命を告げられても、殆どの人が、病院のベッドで奇跡を待って、苦しい治療に耐えているのではないだろうか。
 人間は、死なない人はいない。早かれ遅かれ死ぬということがわかっているし、病気で苦しむのも、長患いするのもいやなのに、なんとか生き延びようとする。
私だって、そう、掛け捨ての医療保険を払っている。美味しいものを食べた方が、旅行に使った方がいいんじゃないの。


 

 愛に飢えて暮らして来た、孤独な実業家のエドワードは、かけがえのない友を得て、娘との愛の絆を取り戻す。愛に恵まれながらも貧しいカーターは、やれなかった夢を実現し、家族の元に帰って、看取られながら天国に旅立つ。
 愛とお金と、分かちがたく重要である、というのはいかにも、アメリカ映画だ。  

Posted by アッチャン at 15:25Comments(0)映画