2009年02月23日

アカデミー賞の授賞式「おくりびと」




アカデミー賞の授賞式が、今まさに行われている。直前のレッドカーペットでのインタビューは、テレビ中継のライブで見ることが出来た。
外国映画賞にノミネートされている「おくりびと」オスカーを取ってほしいな。
昨年の9月に日本で公開された時に見て、久々に素晴らしい日本映画を見たというおもいで、感動を覚えた作品だった。先日の日本アカデミー賞では、作品賞、監督賞、主演男優賞を始め、10部門を独占した。あの映画の中で、チェロがなければ、作品は成り立たなかっただろう、と私は思う。自然と調和する美を表現するのに、チェロ演奏の必然性があったように思う。
 話は変わるが、フランスの病院で、ガン患者や、重症患者のエステを仕事場に選んだエステシャンのドキュメンタリー番組を見た。死の恐怖や、痛みを和らげ、話相手をしてカウンセリングの役目もしながら、患者の美しくありたいという願望、人間性を失わない尊厳、プライドを失いたくない患者に、エステを施すことでお手伝いする仕事。彼女の、精神的に重圧のかかる仕事を支えているのは、自然の中での暮らしと、支える夫、飼い犬との日課となっている自然遊歩。肉体と心を癒す場所があって、患者のエステが続けられる。
 納棺の仕事も、エステに通じるものがあると思う。化粧を施し、元気だった頃の姿を復元して、納棺に収める仕事は、家族の精神的な苦しみ、葛藤などの受けてでもあり、カウンセラーとしての役割も果たしている。そうしながら、自分も成長し、人間性、尊厳を学んでいく。それを支えているのが、彼に取っては、妻の愛と、チェロの演奏。
 自然と音楽、ここに、重要なマテリアル性がなければ、感動を生む、映画芸術は生まれない、と私は思う。
  

Posted by アッチャン at 12:05Comments(0)日々の事