2009年04月12日

間違いを認めないフランス人

 

 


 魚屋で牡蛎とウニ、それに少しだけホタテ貝(煮付けよう)を買った。支払いが59ユーロ、え?そんなに、と驚いて、レシートをチェックすると、12個で11ユーロの牡蛎が2回ついている。聞くと、間違っていたといって、10、5ユーロ返してくれた。別についている10ユーロは何なのだ?と聞くと、牡蛎の殻を開けたお金だ、そこに書いてあると黄色い紙を指さした。
 仕方がないのだ、とあきらめて帰る。レストランでは、目が飛び出るほどなのだから、と。その夜は、牡蛎にうに、朝買っていた、大エビと小エビ、モノプリというちょっと高級なスーパーで買った、ソーセージ、ア、ラ、カンパーニュ(田舎のソーセージという名で、ハーブが練り込まれた太い生のソーセージ)、生ハム、など、良くあれだけ食べられるものだ、冷蔵庫にあるものは、片っ端から取り出して、白や赤ワインと一緒に平らげた。
 翌日、再び、その魚屋で、今度は殻を開けずに買った。
 黄色い紙に目が行くと、12個の開け代が2,5ユーロになっている。それでは5ユーロ余分に払ったことになる。レシートを無くしたから、受け付けてもらえないとあきらめいたが、レシートが出てきたので、カフェに行くついでに魚屋に寄った。
レシートを見せ、開けだいは5ユーロのはずだと、言うと、牡蛎の箱代が入っているのだという。最初は36ヶの計算をして、開け代が10ユーロだと書いていたものが、牡蛎の数が間違っていたのに、それはそのままで返してくれなかった。今度は、透明なプラスティックの箱(日本で入れてくれる箱よるも少し分厚い)が5ユーロかかっているのだと言う。プラトー(盛り合わせる発砲スチロール)が12ユーロと書いているだろう、と指さす。そんなことくらいは、去年から知ってる。去年は、プラスティクの同じ箱に入れて無料だった。開けてくれるのも無料だった。
 




アジアのおばはんが、何度もきやがって、言葉もろくにしゃべれないのに、うるせーなあ、ぐらいに思っているのだろう。
 フランス人は、絶対に自分に非があっても認めない、と聞いたことがある。これか、と思った。
 去年は、まだ景気が良かっが、今年はインフレの不景気で、魚屋は、打撃を受けているに違いない。サービスが悪くなり、以前には無料だったものにもお金を取るようになったのだ。
 魚は、肉に比べて値段がずっと高いから、新鮮で良く売れていた店なのに、今回は夕方でも結構残っている。パック(復活祭)を迎えて、久しぶりに、沢山仕入れたようだ。蟹、はねている大きなエビなどと一緒に、店先に意気の良い殻つきの、コキーユ、サンジャックが 並んでいた。 牡蛎は道路を挟んだ前の場所に台を並べて置いている。自分で選びたいという息子に、「私がやるのだ、」と出てくる女主人、良いものばかり選ばれると困るのだ。  

Posted by アッチャン at 16:54Comments(0)パリにて

2009年04月12日

電車の中は劇場空間

 
 


パリは、Tシャツ1枚で歩けるくらいの陽気。パリから、シャルル、ドゴール空港には、電車、バス、タクシーという選択肢があるが、一番早く、便利なのは電車だ。日曜日の早朝は治安が悪いので勧められないが、平日なら通勤客も多く、心配ない。
 私がいるアパートは、左岸(リブ、ゴーシュ)の南に位置する。大学が、カルチェラタン(ラテン語で授業が行われていたので、ラテン語地区と言われた大学都市)から、各地に散らばるようになり、このあたりにも、大学が多くなった。地下鉄は、フランスワ、ミッテランの名前についた国立図書館があるので、その名前をそのまま使っている。地下鉄とPER(郊外電車)の両駅があるので、とても便利だ。ベルサイユ宮殿やオルセーには、PERC線で行ける。空港には、サンミッシェル駅でB線に乗り換えて40分ぐらい。ただ、PERは、地下鉄に比べて本数が少ないので、地下鉄でシャトレまで行き、そこで乗り換える方が、階段を使わなくてすむので、そちらの方を利用している。
 空港に迎えに行く時には、サンミッシェルで乗り換える。

酔っぱらいが「俺をうつせよ。」



 余裕を見て、早く出たのだけけれど、電車が途中で止まったまま動かない。こういうことが良くあることを忘れていた。昨日、従姉妹から借りた本を読んでいたので、気づかなかったが、しばらく停まったままのようだ。一瞬不安がよぎる。事故か、ストなら、このまま動かないことも。15分ほどして電車は動き出したので、ほっとする。
 電車は地下を抜け、外に新緑の景色が広がると、もうそこはパリの郊外だ。
 背後から歌が聞こえてきた。録音した伴奏に合わせている。あまりに上手なので、録音ではないのかと振り向くと、南米の女性のようで、生の歌だった。一曲が終わると、拍手が起こった。私も。滅多にあげないお金、財布から小銭を幾つかだした。二曲歌って、コップを持ってお金を集めに来る。結構みなさん、あげているようだった。あれぐらい上手なら、日本に来ればすぐに歌手として通用する。

 マロニエに若葉が



 町の道路に座って、ただお金を要求する物乞いがいる。もう一歩も歩けないようなかっこうで、パン屋の前に座り込んでいる若い女性がいた。倒れているのかと近づくと、物乞いをしている。
 通りで、手を出して立っている人、座って前に,缶を置いている人。
 吉田さんが言っていた言葉を思い出す。
 ただ何もしなくてお金をくれと言う乞食がいるが、そういう人にお金をあげなくてよろしい。なんでも良いから、努力をしている人でないとだめだ。上手下手は関係ないし、何をしていても良い。お金をもらうには、努力が必要だ、と。何かやれば、それは立派なパーフォーマンス、演技者だから、それに対して胸を張ってお金を要求すればよい、と言っておられるのだろう。確かに、と思いながら聞いていた。

この電車の中で歌っている女性は、プロ中のプロだ。こんなに安いお金で聞かせてもらっているのだから、私の方が有り難い。

時々、すごい演説をする人がいる。内容はよくわからないけれど、蕩々としゃべり、それから手を出してお金を要求してまわる。胸を張って回っている。

 電車の中は、劇場空間のようなものだ。時々ハプニングがやってくる。

 帰り道、電車が郊外駅でずっと止まったまま、動かなかった。だいぶ立ってから車内放送が。15分ほどしたら動きます、と。  

Posted by アッチャン at 16:49Comments(0)パリにて