2009年06月17日

「風のガーデンのように」


 


今朝、主治医が入ってきたので、母の様子を聞いてみた。抗生物質の効果がないので、様子を見て、別のに変えると言われる。


膠原病の、リュウマチ熱ではないかと、突っ込んで聞いたら、「高齢者で膠原病を発症する人はあまりない。」といわれ、「肺に炎症があるので、肺炎だから、抗生物質をあうのがあれば、良くなる。」と。母の全身の痛みに関しては、あまり関心がなく、整形外科が下している「疑似痛風」だと言われるので、「昨日、整形外科では、疑似痛風は治っていると言われました。」と言うと、「とにかく肺に炎症があるから、肺炎の治療をします。」と一点張りだ。「こうしているうちに弱って行けば。」と言うと、「そんなこと言われても」と笑って出ていかれた。


 今朝は、熱が8度で、体中痛いところだらけ。昨夜、体を軽くマッサージしてあげると、いつもだったら、私の体を心配するのに、気持ちが良いと言って、じっとしていた。今朝も、痛いという所をマッサージする。気持ちが良いわ、楽になると喜ぶ。「どこに行けば、こういうのしてもらえるかしら。」母は、今までに、このようなマッサージをしてもらったことはなかった。


ベッドに寝ているのも、体に負担がかかるので、あちらこちら硬くなって、痛みが出る。


 看護婦さんが、毎日足湯をしてくださる。それで、体が随分楽になる。足湯のあとは、トイレにも立てるようになる。そのまま今日は歩いて散歩してもらった。部屋に帰ると、隣の患者さんのお世話に家族の方が来ておられ、初めてお話させていただいた。


 4月22日くらいから入院しているので、2か月近い。1か月しか置いてもらえないというわけではなさそうだが、コネかもしれない。


床ずれで入院されたそうで、百歳近いのかと思ったら、92歳だとか。老老介護です、と言われる。妹さんと、昼間交替で来られている。


 朝,夕は、看護婦さんがお世話されている。寝た切りでおしめなので、介護はやりやすいだろうが、入院までは家で、デーサービスとショートステイでを利用して、やってこられた。以前に来ていた方達は、この娘さんの子供達だったようだ。


「頑張らないで、気を張らずに、行きましょう。今は介護保険で随分いろんなサービスを利用できますから。」白髪の、痩せて上品な女性は淡々と言われた。


 


今朝8時に病院のエレベーターで、この前お会いした方に出会った。イカリの紙袋を提げておられた。


その後いかがですか?と伺うと、もうすぐ家に連れて帰ると言われる。病院の食事がまずいので、イカリで買って、


食べられる大きさに切ったり、つぶして、持ってくるのだと言われ、「母も骨折して、」とおっしゃるので、「じゃ、ご主人のお姑さんですか?」


 多額のお金は払えない、とおっしゃるけれど、お姑さんは、お幸せだ。


「背中が痛い、さすってくれ。」と言われると聞いていた。その方が帰られると、病院中に大声で呼ばれると聞いていた。


 


病院のベッドは、ほとんどが高齢者で占められている。病院で亡くなるというケースがほとんどだと聞く。お年寄りに取って、これほど寂しいものはないだろう。癌や重い病気があって、緩和の麻酔がかかさないなら仕方がないかもしれないが、癌であっても、「風のガーデン」というドラマのように、最後は自宅で、家族の世話で看取られながら、死んでい行くことが出来る人は、今では幸せだと思われるようになった。


 


家で、家族の世話で、見守られて、旅立つ。当たり前だったことが、特別のことになってしまっている。 


 

  

Posted by アッチャン at 14:20Comments(0)日々の事