2009年08月21日

ただよりこわいものはない




家を建ててから、早12年になる。その間に、何度か、塗装の勧誘が来た。新開発の塗料のモニターになれば、工事代は無料になります。
心は動くが、費用がかかる。まだ大丈夫だろうと、引き延ばしにしていた。最近の大雨で、そろそろやらないとやばいな、と懸念し始めると、
近所でも、外壁塗装をしている家がちらほら。
 そこに、電話がかかってきた。以前、お掃除を無料でしてくれた会社だ。何度もかかってくるので、見積もりだけで良いのなら、と来てもらった。以前の家は、瓦屋根で、一度外壁を塗装してもらった経験がある。その時には、近くで幾つかの工事をしているから安いと言われ、50万か、55万だった。20年前の話だから、上がっているだろうと覚悟していた。
インターネットはこういう時に役に立つ。その会社が来る前に、塗装屋に見積もりを依頼した。電話すると、その日の内に来てくれた。若い男性が来て、ぐるっと見てくれた。壁はそれほど痛んでいないとのこと、塗装の仕事が良かったのだろうと。問題は、屋根。これでは雨漏りが心配です。とデジカメで撮った写真を見せられた。誠実そうな人で、その人が若いけれど、1級塗装の免許を持つ、親方だった。
 見積もりは2,3日で出来ると言って、塗装屋さんは帰られた。
翌日、約束していた会社がやってきた。スマートでハンサム、自信ありげな態度、建築の専門家だと言って、屋根に上がり、ビデオを取ったので、テレビで見てほしいと言う。
 相当の痛みで、屋根が膨れて段差になっている所を指摘された。
こちらは、すぐにでもやってもらわないとと思う。どのくらいで?と聞くと、ざっとだと言って、足場がいくら、外壁塗装が幾ら、屋根が幾らと、平米に単価をかけて、値段を示す。すると合計金額は100万円を超える。これが普通の相場です、という。保証は13年くらい、他の所で安い所もあるでしょうが、仕事やったら、そのままでしょう、と。うちはメンテナンスが専門ですから。そこで、話をするうちに、足場は、日日の指定がいらなければ、無料に。月決めの会費3000円弱を払って会員になれば、工事の割引が出来ます。庭の草むしりは無料で、屋根に断熱シートを引きましょう、といくつかの魅力的ばサービスと値引きで、とびつきたいような値段になった。ここまでしているので、決めるのなら今決めてほしいと言われる。
 お願いすることにした。会所枡の清掃もしてくれる。年会費制で、毎月3000円足らず支払うと、年に一度のお掃除、痛んだところの修理、水回りなどのエスキューもしてくれる、というシステムの会社だ。そんなにサービスしてもらって良いのかとも疑念は以前から持っていたが、
会社は存続している。リフォームも多く手掛けているとのこと。
 その人が帰ってから、パンフレットを見ると、会員の解約には違約金がかかる。4年間も。修理は、どこも1か所で1メートルまで。ということは、後の部分には修理代が発生する。インターネットで見積もりしてもらった、関西ペイントの塗料は、適正価額が平米2,700円と書いている。見積もりでは4000円、他の部分も高い。

塗装屋に電話して、見積もりは出ましたかと尋ねると、まだだけれど概算は、70万円台になるという。塗料は、日本ペイントのシリコン。さっきもらった見積もりは、関西ペイントのシリコンテックス。安価だが、アクリル系だから、日本ペイントのシリコンとは違うという。
 インターネットで調べたら、平米の単価が随分違っていた。最初に、高い値段を出して、それを値引きしていくというやり方に疑問を感じた。
結局は、どちらで依頼しても、値段の差はないから、山ほどサービスがついているのは魅力的である。が、それが落とし穴。そのセールスマンに、「ただより高いものはないといいますよ。」と言ったら、「その通りですよ。」という返事が帰って来ていた。
 メンテナンスチェックと一部分の小さな補修サービスは、多額の、リフォームや、工事をしてもらうためのものではないのかと思う。適正な価額を提供しているのなら、最初から、ぎりぎりの値段で出してくれるはず。それが誠実な商売というもの。で、この商法は、目くらましのようなもの。サービスをしてもらうと、修理を断れなくなるだろう。その時の値段は、言いなり放題になりかねない。
お年寄りや、独居暮らしの人、家の傷みや、住居の不具合には、不安がある。便利さに甘えて、高いものにつく。
 ただより怖いものはない、という父の言い癖は正しい。
 
  

Posted by アッチャン at 11:56Comments(0)日々の事