2010年01月27日

 手に負えなかった家族には、感謝される施設

 

 

 2ヶ月に一度、グループホームで、運営委員会がある。前回出席した時に、私の発言が、代表者である、社長の癇にさわって、あとで嫌みを頂戴した。この施設に母がいる以上は、こちらが引き下がる以外にないと、悟ってからは、一切、何も言わないことにしている。
 2回目の会議は、以前と違って、理事長にお願いしたという、社長の友人で、ある一流企業の社長さんが出席し、施設の職員も、紹介された。議題には、第三者評価、という項目があって、市の職員が、{自己評価を提出してもらうように、依頼していいますが)、と言われた。
社長の声が、いつもになく、震えている。猫なで声も小さくおとなしい。 社長の紹介で、
 ケアーマネージャーが、社長と、この施設に一人いることも、初めて知った。二施設を経営しているので、一施設に、一人代表のケアーマネージャーが必要なのだろうか。実質では、社長が全てを仕切っている。

ビデオで、一年間の施設での暮らしぶり、行事、が映し出された。
こういうビデオを見ると、一年中、こうなのか、と思わされるだろう。3月に開設したので、母は8月からなのだが、側にある公園に、4回程度、(一度は、夏祭りを見に、2度目は、公園で昼食を食べた時、3度目は、運動会、 冬服で、お弁当を食べている写真)と、クリスマスに、お正月のおせち料理の写真、パン作りの写真、三階の人達が、野菜を剥いている風景とか。
 日常こういう活動が、あたかも毎日のように、行われているかのように、紹介して、出席者から、この施設でお世話してもらって、感謝の言葉が出た。理事長に就任する人は、全く無知だけれど、看護の方々は、大変なご苦労だと、感心した。第三者評価の話は立ち切れで、話題に登らなかった。受けるまでもない、模範的な施設を、自分たちは実践しているという自己宣伝も加わって、市の職員共々、話気合いで終了した。
 どこの施設も、こういうことなのだろう。見えている所よりも、普段の生活が大事なのだけれど、特別の食事、特別の行事、が、あたかもその施設の通常のサービスであり、入居者の笑い顔が映っていれば、それで入居者達は、ハッピーで満足、完璧だと思わせる。
 そういうことが、本当に、日常行われているかどうかをチェックする機能として、第三者評価があり、外部から、人の目が入る事が出来るのに、現実には、それは強制ではない。 施設運営に、本当の意味で、自信のある人、改良を加えたいと、真摯な気持ちのある施設では、率先して、毎年受けている。が、自分の施設のやり方に、一言でも口出しは許さない、という施設では、受け入れを拒否しているだろう。
 入居者の中から、これを依頼する人は、いない。それが何であるかも、知らない人の方が多いし、知っていても、腫れ物に障れば、その災難は自分に降りかかってくる。
 市の職員の前で、私は、一言だけ質問した。
「グループホームというのは、認知症以外の人も入られるのですか。」
「認知症対応の施設です。」という答えが返ってきた。

 認知症であると、判断すれば、誰でも入る事が出来る。その判断は誰がするのか?
 認知症とはとても思えない人が二人いる。非常勤のヘルパーも、日常を見ていてそういう。社長のお母さんは、周りの人達の事がよく見える。母の言動を見て、私に、直すようにと、注意してくれるが、母は、注意されても、覚えていられない。
もう一人は、全く、認知症はなさそうだ。職員と一緒に、家具を買いに行き、以前の事、忘れ物、全て覚えている。カルタ取りをすると、途中から入って、一人でほとんど取ってしまう。塗り絵をすると、手早く、すぐに出来あがる。
 認知症対応のグループホームに、認知症とは考えられない人が入っている。

 そういう施設は、いくらでもあるかもしれない。経営者の家族を、都合で良く泊めている、とコメントしている人がいた。介護認定に関しては、正確な判定基準はなさそうだ。 医者に、書いてもらう診断書、面接に、立ち会う、ケアーマネージャーの、診断、発言が大きく作用する、現状においては。  

Posted by アッチャン at 17:08Comments(0)日々の事