2010年03月17日

母の心 子知らず

  


 
 久しぶりに、息子から電話がかかってきた。
 私の腰を心配して、かけてきてくれた。

 いつ帰ってくるのよとけしかける。
 母は、毎日、息子に会える日を待っている。
 「アメリカなんて、嫌い。どこが良いのかしら。
 私は日本人だから、日本が好きだわ。」

 祖母の心、孫知らず

 母の心、子知らずなのに、当然だろうな。

 会社の上司がやめたので、仕事の量が増えて、
 飛行機の勉強をする時間は、ますますなくなった
 と、ぼやく。
 会社やめようか、と。

 またかいな、いらついてくる。
 「やめたら、給料もらえないし。」
 あたり前田のクラッカー

 「僕、考え中」で、踏ん切りがつかない。

 ずるずると仕事を続けるのは良くない。会社に残るのなら、飛行機は趣味にする。飛行機で立ちたいなら、会社をやめる。

 二頭を追うものは一頭を得ず

 飛んで、飛んで、飛ばなきゃ。これしかない、となれば、
猪突猛進、目的に向かってまい進できるわよ。

 心配して電話してくれているのに、私は、相変わらずの
お説教を垂れる

人生って、それほど甘くないよね。
 食べて行かなくちゃいけないし、その中で、夢を実現させようと、努力している人、一杯いるよね。

 息子の方が、私よりも、ずっと偉いのに、
 親面しちゃって、彼がわかりきっていることをがみがみ

 「日本に帰って、仕事探したら?」
 「それはありえないね。65歳までは、アメリカで働く
 つもり」

 「じゃ、私はどうなるのよ。」
 「お母さんは、そろそろこちらに来る準備しておいた
  ほうが良いよ。」

 母の心、子知らず

 私の母を通して、子供の非情さ、身勝手さは、
 痛いほど、認識しているつもりなのに、
 そう言ってもらうと、嬉しい


 私も、弟達にしても、母と一緒に住みたいと思っていた。

 元気でいる限り、お嫁さんとトラブルを起こさない限り、
 自分たちの生活に、支障がないかぎり
 

 母の心 子知らず 

 やがて、自分にも、母と同じような時がやってくる

 その時になって、母の気持ちがどうであったか、わかるだろうか わかっても、遅い
 自分の老いを、なすすべもなく受け入れるだけ

 
  

Posted by アッチャン at 12:53Comments(0)日々の事