2012年04月02日

ビストロ、ド、ヨシモト

     


    

中津は、梅田から神戸線で一駅、茶屋町から歩いても、5分くらいの近場なのに、
  手つかずの下町の雰囲気を残している。
  梅田の一等地だと、賃貸がほとんどで、その費用も随分高いのに、比べて、この辺りは、長屋風の家も列んでいて、一軒家もあり、リーゾナブルな値段で、美味しいものを提供している店がいくつか。
  ビストロ、ド、ヨシモトは、予約をしておかないと、無理だと思う。以前に、友人が、インターネットで調べて来て、予約なしに行ってみたら、断られた。
  だから、今回は、予約して。

アミューズ

  電話をすると、コースを聞かれなかったので、行ってから決めるのかと思って、ホームページを見ると、ランチは、平日は2種類のメニュ、土日祝日は、特別メニューの一種類だけ書いている。
 外から見たら、小さそうだけど、中に入ると、テーブル席が6つぐらいあって、カウンターが、8席くらいかしら。
 テーブルは全て、埋まっていて、カウンターの奥の席が用意されていた。
 私達とほぼ同じぐらいに、一組のカップルが、やはりカウンター席に。
 キッチンの中に、若い見習シェフなのかしら、3人オーナーと一緒に働いている。



 これだけの人達が、一通りのメニューを作るのに働いているわけは、運ばれてくる料理を見れば、うなずける。
 実に細やかで繊細、一品毎に、運んで来ては、使っている素材と料理の説明をしてくれる。それほどに、熱の入った美味しいものを、お客さんに出したいという思いが、伝わってくる。春一番の食材を使って、軽やかに仕上げたお料理の数々。
  隣のカップルは、お酒なしで、話をしないで、食べることに集中している。
 メニュが変わる度にやってくる常連さんの様子。この辺りの近くの高級マンションにでも住んでる、年配の夫婦なのかもしれない。

ポワソン、

  平日働いて、日曜日のお昼に、プチ贅沢な食事とお酒を楽しむ。そういう人達は、
車では飲めないお酒を、気にしないで飲めて、美味しい料理を食べて、一週間のご無沙汰でしたとばかりに、貯まっている話をするのは、至福の時間。



 明日からのまた仕事への、リフレッシュにもなって、またがんばれるのだろう。
 そういう人達に、ビストロは、フレンチレストランのように、構えないし、スノッブでもないし、気楽に楽しめ、しかも味は一流。
 「ビストロ、ド、ヨシモト」は穴場だね、と赤ワインを飲みながら、次々にタイミングを計って、出してくれる、目を見張る美しい料理を、楽しむ。
 思わず、どちらからともなく、幸せ、という言葉が漏れる。

  アントレ 若鶏



アントレ 子牛
 
 美的感覚を大切にする、フレンチだから、写真を撮るの忘れた、てことにならない。
 出てくる度に、写真を、と思う余裕がある。
 一流の店で、最低のワインを頼んでも、ちゃんと良い物を出してもらえる。
 ローヌ地方の、4つ星をもらっているワイナリー。4200円の赤ワイン。カシスとラズベリーの味わいの深いワインだ。
フランス料理に、ワインがないなんて、考えられない。

デザート

この店の自家製パンは、とても美味しい。お料理の一番は素材の選択で、それを活かすシェフの創造性と、手際よさ、職人の技に加えて、食の微妙で繊細な感覚がいる。
 プロフェッショナルとは、無限の追求にあり、と食の達人は言う。奥の深いものなんだろうな。
  フランスでは、リーゾナブルな値段で、星のある店というのは、自動車で行かないといけない、へんぴな場所にあって、それでも美味しいもの好きの人達は、わざわざ出かけて行く。アメリカでも、同じ。美味しいステーキハウスとか、地方だと、町から外れていて、車がいる。パリは高いから、フランス料理の一流の店なんて、行ったことないので、本場のフランス料理は、それほどわかってないけど、味はわかると思っている。

私は庶民感覚の人間だから、特別ランチの3150円で、こんなに幸せな気分を味わえるので、是非、紹介したい店。
  

http://bd-yoshimoto.com/  ビストロ、ド ヨシモト  

Posted by アッチャン at 11:56Comments(0)旅のグルメ