2013年06月16日

コインブラ

   

    


   コインブラへの列車に乗った。私の列車の名前が23、席は119番。ベンチで、座っていた女性に、どこで待てば良いのか聞くと、ここでという。
 23列も電車があるのか、と思った。21から23までの3レーン。
 席は,最後の席だった。隣に中国人の若い女性達。ポルトワインを買っている。
 彼女達はリスボンまで行くそうで、途中のコインブラに降りるので、何時につのかわからない、というと、私の前にいた男の人が、1時間です。私も降りますから、と言ってくれたので、ほっとする。
 コインブラbに降りて、さて、一駅,コインブラ駅、どっち?ときょろきょろ。さっきの男性が,僕も行くから、と一緒に3番ホームまで来てくれた。
学生か?と聞くと、働いているという。ポルトに住んでいる。私はリスボンから来て、ポルトの方が好きだというと、彼もやはり,リスボン嫌い。
川沿いの町は心も潤う。

一人では勿体ないね。



コインブラは、ポルトガル最古の,大学都市。駅前のホテルにして正解。すぐにわかった。
 とても良いホテルで、受付の男性はとても親切。ファドと書いているので、ファドが聴きたいというと、ここでチケットが買えるという。


   


 7時半から始まるというので、教えてもらった道をたどって、その場所に行くと、9時半からだという。始まりは10時。大丈夫かな、と思った。
 まだ充分時間があるので、その辺を歩く。阪道から人が降りてくるので、そこを上がると、小さな広場になっていて、一杯人がいる。無料のファドが、毎日6時半からある。勿論、食べ物と飲み物も売っているのだけど、なにもなくても路上に座って聞いていられる。
 そこをさらに上がって行った。
 夫婦ずれのご主人らしき人が後から。鼻歌を歌っていたご主人が、私に声をかけた。 何か助けることはありますか?と。
前にカテドラルが見える。



 カテドラルを見て、大学の図書館は、素晴らしいので、是非見に行けという。
奥さんが,月曜日まで泊まっているの?という。
 私はまだ一泊しか取っていない。受付の男の人は、明日、見物してみて,時間なかったら、またホテルに来ればよい、と言っていたが、私はもう一泊すべきだと思っていた。
 疲れすぎて、唇が乾燥し,荒れ始めている。いつもこうなると、披露が蓄積している証拠。

 ご主人に,教師か、と聞いた。そんな風な知識人風の感じの良い人。奥さんが教師で、ご主人はロイヤー。二人はこの町には今住んでいない。隣町だそう。リタイアーしているけど。私もだ、と言った。

  とても陽気で親切な人達ばかりに出会う。ポルロガル人が気さくで好きで、海辺が好きだった、檀一雄の気持ちわかるなあ。
この坂で,ぎっくり腰になる、と言って笑っている。確かに、この坂はきつい。


   

 そこで別れて,私もカテドラルに入った。ミサの最中だった。

 12世紀のゴシック建築。シンプルで私はjこのほうがずっと好き。しばらくじっとしていたくなる。
 修道女が幾人かいて、皆相当の年寄り。終わってパイプオルガンが響き、皆、それぞれに散って行く。
 私も外に。修道女達が、支えながら,きつい坂を踏みしめるように登っていく。これは本当に大変だ、これが修行なのかしら?

   



 大学だという,阪道を上がっていった。景色の美しさを称えた,バイロンにあやかりたいと。
 でも景色の素晴らしい所にはいくつかない。少し見える所から、諦めて戻って来た。ファドは終わってして、店じまいをしている。


  


 町を歩いて、ホテルにもどった。まだ時間がある。夕食はたべないつもりでいたけど、お腹が空いた。
 5階にあるバーに行った。そこから素晴らしい眺め。探していた場所は、灯台元暮らしだった。
ファドで寝てしまったらいけないので、スープで我慢、美味しかった。スープを飲まない人何だけど、疲れている身体に優しく入って行く。

  




病気の人が飲むスープもこんな感じなのかもしれない。 それだけではお腹が持たないかもとサンドイッチも頼んだ。サンドとなると、ワインが欲しくなる。でもめた。
9時半になって、ファドの店に行くと、沢山入っている。
私は一番前の端席を案内された。ファドチケットは10ユーロで、飲み物は別に注文するようになっている。
 私は小さい生ビールを注文。
 コインブラでは、男の人がファドを歌う。
黒マントをひっかけて歌い。ギターとマンドリンの2人の演奏。
 本格的なファド。
 テノー歌手の声量を持つ人で、自信に満ち、スノッブな感じの文人タイプ。





ギターとマンドリンは、大学生で今年学位を取る人達。

 男の人が歌う、コインブラのファドは、古の吟遊詩人を思わせる。
貴婦人への切々な愛を告白し、その美しさを称えるという,愛の歌を。

マントを羽織っているのは、身を隠すという意味だろう。シラノ、ド、ベルジュラクのように、身を潜めて、愛の歌を捧げる。たった一人の、恋する貴婦人に。
コインブラのファドが、気品があって、紳士的だ。





 演奏家の肩に手をおいて、彼らを労り、包みこむようで、余裕のある教授風の歌い手。
 歌い手の友人が来ていて、有名なアーティストだと紹介、そかも素晴らしいファドの歌い手だから、とステージに上がってもらった。
 おじいさん。ピカソの頭を白髪にしやような人。自然体で、それでいて、どこか違う。歌は素晴らしくて、歌手よりも良いぐらい。何度も聞いていたい。ソフトと力強さの起伏,熟年の落ち着いた声,情熱の深さが心に響く。
アンコールの拍手に湧いた。





時間が経つに連れ、家郷に入っていく。人も多くなり、2階席も満席。
帰りたくなかったが、時間は12時。一人で細い道を帰るのが怖い。それにもう寝ないと。と店を出た。
なんのことはない。通りや町に、子供達までいる。眠らない町なのかしら。一度来た時に、路地裏で鰯を焼いて、外のテーブルで家族が一つになっている姿を見かけた,その人達かな。


 
ホテルに戻って、まだちょっと飲みたくて、5階のバーに。バーは1時に閉まる。
地元の人達だろう。ウイスキーの瓶を置いて、カード遊びをしている。
 もう一本ビールを飲んで,部屋に帰った。  

Posted by アッチャン at 20:37Comments(0)旅行

2013年06月16日

国立美術館とアサドールティピコ。ウン



   



 いつも朝早く眼が冷めるのだけど、,今朝は特に。昨夜は,顔も洗わずに、歯を磨きながら寝てしまった。夜中何度か眼が覚めた。ワインと食事がbげったり残っている。寝苦しくて、身体が熱く、布団を蹴飛ばして。
5時前に置きだし、ブログを買いた。
 今日はこのホテルを出て、コインブラに行こうと思う。
朝のうちに、ホテルを予約して、切符を買いに行かなくちゃ。
 ブログを書き終わって、シャワーを浴びた。荷物を整理し、荷物の整理をすませてから、駅に行った。
 順番のチケットを取った。いくつかのカウンター、どこも、英語で応対している。さすが、世界遺産。


夕方の時間を指定した。IICの方が良い電車だと思ってそれにしたら、駅員は怪訝そうな顔をしていた。それもそのはす。今乗り込んだ電車がそうなのだが、来た時とは多違いで、がたがた揺れるし、次に停まる駅の案内はなく、ずっと古い電車だった。
 それはさておき、ホテルに帰って、隣のカフェに行き,朝食代わりに、お菓子とカフェを買って持ち帰った。それも食べて見たいが、ポルトガルのパステル、デ、ナタははずさない。
 これは、ベレンの人気店よりもずっと美味しい。日本に持ち帰りたいくらい。




 
 
ホテルのチェックアウトをすませ,国立美術館に行く。顔見知りになったレストランのボーイが手をふって挨拶してくれる。
 楽しんでおいでよ、という風に。
ホテルから歩いて10分くらい。
散歩の範囲内で歩けば,行きたい所に行ける町が好き。

国立美術館は、それこそがらんとして,靜か。
 受付のおじさんが、荷物預けるのなら、と鍵を出してくれた画、パスポートを入れているので、持って行ってもよければ、と断った。




 受付の人は,館内の展示室と展示物の案内をしてくれた。
日本の屏風があるとか。ポルトガルとは縁の深い日本だから。
 パンフレットは?と聞くと、一枚しかないので、帰りに返してください。
 美術館で考えられない。それも日本語じゃないのよ。
各部屋に、案内人はいるけど、客は誰もいない。団体の10人ほどの人を除いては。
 ポルトガル最古の美術館で、1833年の開館。





 なんの前触れもなく入ったのだけど、彫刻の素晴らしいものがあるなあ、と感心していたら、ポルトガルを代表する 19世紀の彫刻家だった。
日本のは、南蛮屏風で、これは面白い。





ポルトは陶器が有名だから,陶器にも力を入れている。現代絵画も少しではあるが、惹かれる絵画がある。フランスの19世紀の作品に類似した自然主義から印象派の作品、すべてポルトガルのものであることは興味深い。美術館を出ると、美味しそうなレストランがある。テイクアウトに入れ物を持ってやってきたおばさん。つられて入ってみた。 中は素敵なインテリアで、一杯人がいる。




ここで食べてみたい。トオされた部屋はずっと奥の突き当たりで、サラダを置いてあって,横にウェディングケーキがある。そんな風にしているのか、と思ったら,実際にカップルと彼らの祝う人達の席だった。




 壁には,有名人のサインとコメントをいれた額縁がかけてある。ここは凄いのでは?
前には家族。おばあさんが、皆の皿に分けている,いかにも、ポルトガルでは、家父長制度が色濃く残ってるようだ。ここでもそんな風景が見える。
 娘夫婦に孫連れ、という風景とか、その隣は、どうも父と息子。そういうのはよく見かける。
 今日は、ガイドブックの後ろにあるメニューのポルトガル語を探しながら、鱈と、インゲンのリゾット、という料理を撰んだ。
やっとリゾットが食べられる。




 今お店は本当に美味しい。実に,実に美味しい。友人はきっと感激するだろう、と思いながら、一人で。
ワインは、今お店のハウスワイン。これも美味しい。ハーフを一人で。前の客は,ハーフを息子と母親で,子供達はコーラを。もう一方の親子連れは,垢のハーフ。父親はアクワを飲んでいる。4人のおばさんグループが横のテーブルで1一本をわけて。
 私は飲み過ぎ。食べ過ぎ。どのテーブルも分けて食べている。量が多いもの。

この店は,地球の歩き方に載っていた。地元の人に愛される,安くて美味しい店として。
 
 ポルトに行けば,是非。
 ちなみに、今お店で、料理は6ユーロ90 ワインは3ユーロだった。ポルトは良い。食べ物,ワイン、グルメの街

 満足して、お腹が膨れあがって、酔いもあって、どうしようもない。その辺の店をぶらつき、トイレにばかり行って、時間まで過ごす。





 ホテルに荷物を取りに行き、たっぷり時間あるので、ロビーでアイロンをかけている若い女性と話していたら、時間がなくなって、走って,駅に。
なんでこうなるの?いつものことで、また反省。
 ひやひやはもうごめんなんだけど。その彼女は、ポルトではあなく、もっと小さな静かな町から通っている。
 このホテルは、昨日、マダムが紹介しますよ、と言ったホテルと同一経営だった。へんな事聞いちゃったよ。清潔か?とか。





 私はそう思う、と何も言わずに言ってた。安い値段だったのできがかりだったのだけど、それは彼女の特別料金。普段はそのホテルで働いているそうだ。 リスボンは良くないというと、若い彼女も、同じだと。
 靜かで小さい町が好きというので意気投合。またきっと来ると私は言った。 ポルトとその周辺の小さな,美しい町に。

    

Posted by アッチャン at 20:01Comments(0)旅行