2007年06月29日

五木寛之

 五木寛之
 夜更かしの私が、目覚めてテレビをつけると、五木寛之が出ていた。収録番組は終わりかけだった。、五木が、「何年後に、こう出来たら、と思っていますが、出来なくても、少しもかまわないんです。どこで倒れるか、それは宿命ですから。」という所で対談は終わり、司会者が五木に書いてもらった色紙を見せている。風にふかれて、と書いている。
「五木さんは自分から、どうしようと思った事はない。向日からくるのを受けるだけだとおっしゃるけど、青春の門を完結したい、という意欲に燃えておられる。」と司会者が言った。

五木寛之

 五木寛之は、「それも自分がこうしようと思ったからではない、そういう風に
自分にやってきたことだ。」と聞かれたら、答えたことだろう。それが五木の言う「他力」
で、彼はいつも「風にふかれて」生きている。
 私は五木寛之が好きだ。本屋に彼と同行して、彼を撮り続けた写真家の写真集があった。買おうか、と思ったがやめた。本を手元に置かなくても、五木のスタイル、五木の表情、声も、語り口も、服装も、姿も、眼に焼き付いている。年を感じさせない、かっこいい人。自然体の人。週の内、4日は旅に出て、3日間はホテル暮らし。持ち歩く手提げ鞄に中に、わずかな着替えと、原稿用紙が入っている。汽車の中で、喫茶店で、彼は原稿用紙に書き込んで行く。医者にかかったことがない。自然のまま、自然に治癒している。どこで息絶えるか、それは宿命だから。道半ばにしても、未来に残していても、執着するようなことは何もない。突き動かされて、自分は生きている。風に吹かれるままに、どこにでも行く。美味しいものを食べ、素敵な人達と語り、待っていてくれる人を思い、その全ては、
「他力」によって引き寄せられているもの。
 
 私が五木寛之に惹かれるのも、他力によるもの?


Posted by アッチャン at 01:59│Comments(0)
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