2010年08月13日

吉田堅治さんの言葉から思うこと

吉田堅治さんの言葉から思うこと



昨夜、吉田さんの放送番組の再放送があったので、見ていた。市村さんが、吉田さんの言葉を読み上げる。一つ、一つ、パリのアトリエにお邪魔して、幾度となく伺った言葉。
 この番組をみせてもらって、それらの言葉が、意味を一つにして、浮かび上がって来た。生と死は、表裏一体としてあるのではなく、混然として存在する。
人間の中にある、悪しき心(悪)は、人間の中にある善意(良心)は、表裏一体としてあるのではなく、混然として存在する、という、真理。

吉田さんから送られて来た、コピーがある。それは、映画を制作したISHMAEL ANNNOBILによる、質問状に、吉田さんが自筆で、答えを書いておられたもの。
その中で、最初の質問として、
 恩師のはやし様、古城戸様の芸術へのアプローチがどのように、他と類を異なっていましたか?
 
答え
 林先生も、古城戸先生も人が作品を創るのだから、自分の人間として悪いところを取り除いていくことがよい作品を創ることになる。それ故、謙虚に人から学び、欠点を改めていくことが大切であると教えられた。
お二人とも戦争で軍事体制に決然と反対されていた。

吉田さんは、良く話された。
 古城戸先生が、
吉田さんの腕をつかんで、
「吉田、行くな。死んではならない。絵を描け。生きる道を選べ。」と必死で止めるのを聞かずに、先生の言葉に背いて、志願した。」ことを悔いておられた。

 質問 
古城戸世婦負がおっしゃられた言葉、戦争には行くな、生きる道を選べ
この言葉は先生ご自身 戦争で亡くなられましたが 貴方にとって、命を大切にするという意味で座右の銘になっているのでしょうか?

答え
 そのようにも言える。神の声を先生が使途として代弁して、私に与えてくださったのだと思っている。

 悪しき心も、善なる心も、混然として人間の中に存在するが、悪の心を見つめ、自我から放出し、遠ざけ、心の中に善の光を灯し、善に向かって祈る。吉田さんの人生はその努力の日々だった。


吉田堅治さんの言葉から思うこと

祈りについて、よくこう言われた。



「私は、毎朝、毎晩、神様に、お祈りをする。神様の使命に、答えることが出来ずに、至らなさを懺悔する。神様の使命を十分の果たせないでいます。ずみません、とわび、私はどうすれば良いのでしょうか、と神様に問いかけると、自ずと答えてくださる。
みんなの為に、平和な日々でありますように、とお祈りする。」

 心を見つめ、心との戦いなのだ。戦争を引き起こす人間は、平和を実現させることも出来る。

自己愛に陥らず、相手の幸せを願えるようになれば、戦争は起こらない。現実にはそれが出来ないのだ。パスカルが言うように、
「日の当たる場所と日陰の場所があれば、人間は日の当たる場所を欲望する。それが争いの元だ。」

 私も、実に悪しき心に満ちている。人を罰し、自分を正当化している。自分の文章を見ると、その鼻持ちならなさに、ぞっとする。
人の冷たさを、人のせいにして、自分を省みない。孤独であることを嘆きつつ、壁を創っているのは私の方なのだ。


吉田堅治さんの言葉から思うこと

吉田さんは、どこにも出て行く。どこにいても、平然と堂々としていれば良い、とおっしゃる。偉い人も、名声も、何もない。同じ人間なのだ。

メキシコのスペイン人の大富豪の家についていって、小さくなっている私に、そうおっしゃった。略奪した美術品が置かれ、メキシコ人への差別意識の強い人達だ、とおっしゃって。その家に、何ヶ月も滞在して、絵画を描いておられたと聞いた。
パリの冬、アパートの近くで、火を炊いてたむろしてる人々の所に火入って行く。
 食べ物が振る舞われ、共に飲み、浮浪者になられる。人の温かさを求めて。

意識をもっと広く持って、自分から中に入って行けば、皆、迎えてくれる。様ざまな未知の世界によって、自分の意識はどんどん大きくなり、つまらないことに囚われなくなる。
 
 それが出来ない、あらゆることにがんじがらめに囚われている。 


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Posted by アッチャン at 14:33│Comments(0)日々の事
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