2013年04月02日

映画「フライト」

     
   映画「フライト」


http://www.flight-movie.jp/
 
 デンゼル、ワシントン演ずる、アルコール中毒のパイロット。彼のパイロットとしての腕は並外れている。
間一髪で、乗客のほとんどの命を救った、英雄だが、そういう事故を招いたのは、彼はアルコールを浴びていたから。
操縦前夜、彼と共に、アルコールを飲酒していた、アテンダントに、アルコールの検出がされた、との報告委員会での、最終質問で、彼が飲んだ、アルコールを、彼女は飲んだと思うのか、と聞かれる。
彼は、その会議に出る前夜まで、8日間アルコールを絶ち、親友の家に泊めてもらっていた。前夜、用意されたホテルの部屋にもアルコールはおいていなかった。外には厳重な監視人を置いていた。アルコールが入っていたということが、明るみに出れば、彼は終身刑に処せられる。弁護士や周りの人たちは、アルコールの事実を隠し、証拠をつぶして、最終審査で、勝利を得るはずであった。
神の仕業か?隣の部屋の鍵がかかっていなくて、彼は物音に引き付けられ、アルコールの置いている部屋に入る。飲んではいけない、と一旦は踏みとどまるが、翌朝、アルコールを浴びて、バスタブの所で倒れている所を発見された。
しゃきりさせるのは、常用している麻薬の専門家を呼ぶしかない。パイロットは、事故の当日の朝も、アルコールでぼやけた頭を、麻薬で生き返らせて、操縦していた。
悪天候の中、気持ちがハイになっていて、危険を承知で、空に飛んだ。危険な操縦だった。乗客は、ものすごい揺れに怯え、危機を脱して、安定飛行になると、安心して手をたたいた。パイロットは、乗客の前で、挨拶して、飲み物のサービスは、安全のためにないことを謝罪した。飛行時間は、アトランタまであと20分くらいしかない、。
彼は、自分だけ、ウオッカを入れたジュースを飲み、操縦を副操縦士にまかせて、寝ていた。機械の故障で、飛行機は操縦不可能に。彼は目覚めて、アテンダントも手伝させて、背面飛行で、着陸する。火を噴く飛行機から、100人以上の客は助け出された。
パイロットと同乗した、彼女は、子供を助けようとして、亡くなった。
最終質問のほとんどは、無事にクリアー。最後に、との質問に、パイロットは、
「彼女がウオッカを飲んだのではない。私が飲んだ。彼女は子供を助けようとしていた。」
と告白する。

映画「フライト」

 1年8か月、彼は獄中にいた。アルコール中毒患者のセラピーに参加している。
決して認めようとしなかった。事故後、病院で知り合った、女性に、彼は自らの精神的痛みを和らげてもらおうとすがる。彼女も薬とアルコール中毒で、運ばれた女性。彼女は、彼にも、セラピーに参加を促すが、彼は応じない。
パイロットは、離婚し、息子とも会えなくなっている。アルコールの依存症が原因だった。

獄中で、彼は、「私は、アルコフォリックだ。離婚し、息子にも見放され、職場を失い、パイロットの資格も剥奪された。あと数年は、監獄の中だろう。
だが、私は、初めて、自由になった。自由の素晴らしさを知った。ある人達は、私を受け入れ、ある人達は、私を許さないだろう。だが、私は、初めて解放されて、自由になった。」

沢山の人の命を預かる、パイロットという職業は、ものすごい重圧の中での作業を強いられる。彼が、アルコール依存症になっていったのは、重圧に心が耐えられなかったから。
アルコール依存症であることを、認められなかったのは、彼がアルコール中毒患者でることを認める勇気がなかったから。自分への自責の念に怯え、アルコールに存する。

監獄への面会者達、彼を支援して待ってくれる人達がいる。息子がやってきた。
私が会ったもっとも尊敬する人、という題で、彼は父親をモデルにレポートを書くために。

私も、様ざまな抑圧を受けて、囚われて生活している。自由には、なれない。私が、私自身に課している、重圧。

映画の題名「フライト」という意味は、彼自身が、自由への飛躍という意味でも使われているのではないだろうか。


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Posted by アッチャン at 11:56│Comments(0)映画
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