2013年09月30日
イタリアンワイン
阪神デパートの8階で、イタリアワイン600種の試飲販売を開催中だった。
西梅田の美容院に行った帰りに、ポスターに惹かれてふらっとデパートに入ると
そこもワイン売り場。店員さんが、8階は5時ごろから混むので早く行った方が
いいですよ、というので、エスカレーターで8階にあがると、イタリアン食堂と、
イタリアの美味しい食材や、アイスに、生ハム、チーズなど、美味しそうなものばかり。
ワインを試飲して、少し酔い始めると、今度は食事とワインを買って、テーブルで立ち食い。どれも美味しいし、500円のグラスワインをお替りして、いろんな食べ物の味見。
酔うと、甘いものが欲しくて、クレープにジェラードを乗せたものを買って、テーブルに帰ってきたら、席が空いていないので、一人でいる夫人の所に同席させてもらった。
帽子を深くかぶって、イタリアビールと何かおつまみを食べている。
自然、話をするようになった。
私は酔っているようには、見えないらしいが、お酒が入ると、話がはずむ。
彼女は、家に帰りたくない。定年後のご主人と、今は二人暮らし。
行動の束縛はやめて、主婦は卒業させてもらうと宣言したとか。
サラリーマンが、家に直行したくなくて、その辺でちょっと一杯というのに似ている。
選手交代というわけだが、年金暮らしなので、そう贅沢は出来ないので、ささやかな
不良現象で、自由の味を楽しんでいるといった感じ。
私が一人だというと、ため息交じりに、羨ましい、と。
一人は一人で、そんなに羨ましがられるほども幸せでもないのだけれど。
イタリアワインの中で、私はシシリアのものが美味しかった。
シシリアに行ってみたいなあ。
ゴッドファーザーの故郷。アルパチーノ扮するマイケルが、暗黒街から抜け出て、まともな世界に生きたいという希望を捨てずに、家族の為に階段を上りつめるのだけど、
上に行くほど、悪がはびこっていることを思い知らされる。
政治は悪。財界がそれを牛耳っている。最高庁のローマ法王庁も。
マイケルは、愛する家族も権力も失い、シシリアの田舎で、太陽を浴びて、一人枯れて死んで行く。
ニューシネマパラダイスの、トトの故郷もシシリア
故郷は遠きにありて思うもの。帰ってきてはだめだと、親友のアルフレード
に言われて、ローマに旅立つトトは、悲しみと孤独を糧にして、映画界に君臨する存在にまで出世するけれど、幸せではなかった。亡霊と化したシシリアの故郷を再び後にして、ローマに。元の生活の中で、渡されたアルフレードの形見のテープを流す。
恋の情熱に燃えるキスシーンのつぎはぎ。幼いトトが、見たかったシーンの数々。
教会の禁止でカットされたフィルム。
禁止や規則があるから、それをなんとかごまかして、悪知恵を働かせて、そこを侵犯すする歓びを味わう。想像力が働く。ワクワクドキドキ、スリルを味わって、生きている実感を抱く。トトはその感動を、子供の頃よりもずっと深く味わっている。
シシリアの豊穣なワインは、渇いた土地に育まれる。
Posted by アッチャン at 15:51│Comments(0)
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