2014年01月10日

玉三郎の新春特別舞踊公演、松竹座。

  
      玉三郎の新春特別舞踊公演、松竹座。


  待ちに待った、玉三郎の特別舞踊公演に行ってきました。
お正月が来たのだと、実感出来た、華やかな舞台です。
松竹座の正面玄関を入ると、獅子舞が迎えてくれます。
頭をがぶり、テレビの「ごちそうさん」で観たものと同じ光景。
 お正月の一日に、神社で引いた、くじ運の悪さを、幸運に変えて
くれるようで、お祓いを受けた感じ。
友人が、ヴィザで、18000円の入場券と15000円で申し込んで
くれていたので、良い席が当たって、それもラッキー。
松竹座は、満員御礼の札がかかかっていて、さすがに玉三郎の人気は
絶大なものです。
綺麗処の芸者さん、舞妓さんの晴れ姿もみられました。
けれど、玉三郎の美さにかなうものはいません。
舞台の幕間に、場内が明るくなると、一斉周りの人が見えるのですが、
私も含めて、これほどの違いがあるものか、と目を疑いたくなるほど、
舞台の玉三郎の、色艶、美しさ、この世のものではない、と確信する以外には
ないのです。
共演の七之助も、玉三郎についていこうと、必死に踊るのですが、とても玉三郎の
魅力にはまだまだ、ほど遠い。
でも無理はないのです。
積み上げられた美しさ、年齢を重ねて、どうすれば美しく見えるかを、研究に研究を重ねて、身体も心も作り上げた美の世界は、孤高の美、なので、誰も真似の出来ないもの。
そして、一回限りのもの。
昨日、明日に見せる玉三郎の芸とは、違う永遠のものなの。


玉三郎の新春特別舞踊公演、松竹座。



 七之助も、一人で舞台立つ、最期のお染、久松の二役では、十分に良く踊って、
色香も発揮していました。
 そこに、玉三郎が登場すると、その華やかな色香が、がくっと落ちてしまうのです。
しかし、これは七之助にとっては、精進の目標が更に遠く、希望がさらに大きくなっている証拠であって、きっと将来は,素晴らしい女型に育ち、踊りの旨さを、更に磨いて行けるでしょう。
舞台の装置、美術も、玉三郎の演出だと思われるのですが、日本の象徴的で、大胆な美しい舞台で、目を見張る思い。
正月初めの目の保養にも一役買っていました。
玉すだれって、可愛くて、華やかで、粋で、冬のはずのお正月が、新春と言われるにふさわしいものです。その玉すだれがふんだんに使われて、お客を暖かくもてなしています。

玉三郎の新春特別舞踊公演、松竹座。



パンフレットにもなっている、藤娘は、出し物の中でも、最高で、玉三郎と七之助の二人での
共演は、藤棚から、藤が垂れるように咲く様の美しさ、可憐さを見事に表現していて、素晴らしかった。
お芝居でも、舞台にしても、見終わった時に感動もひとしおながら、時間を置いて余韻がり、更に
愛しく思えるのは、その舞台が放つ力の強さにもよるのですが、玉三郎の舞台は、いつも
どれも、眼にやきついて離れることはない。
どの一瞬も、渾身込めた魂の演技で、観客をひきつけるからでしょう。
あの眼が、あの憂いが、あの体の動きが、あのすべてが、眼に浮かんできて、心を熱くさせるのです。


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Posted by アッチャン at 11:49│Comments(0)演劇
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