2014年05月03日

五木寛之「選ぶ力」

 
      五木寛之「選ぶ力」


  五木寛之は、寝ても覚めても本を離さない人のようだ。
しかも早読みが得意。
東京から静岡までの電車の中で、文庫2冊と雑誌2冊に新聞を読んでいる。
 風呂の中でも、ビニールを特製カバーをかけて、長風呂しながら読んでいるとか。
 一冊の本を書くのに、文献に使う本を多量に読んでいるのも、この速さならうなずける。
昨日借りた9冊の本など、五木寛之なら、瞬く間に片づけてしまうだろう。
 速読法という学科があって、速読で内容を把握してレジュメを書くという授業があった。
目を上限に走らせながら、斜め読みをする訓練をする。
初めと終わりだけはわりとしっかり、間はざっとつまみ読み。
五木もそんな読み方ではないのか、と疑いたくなるくらい早読みだ。
 12年の出版された新書本を、昨日頑張って読んでみたが、まだ少し最後の所が残っている。
 漫画を30分くらいで読む人は幾人もいるけれど、字を追って読むと、一冊読むのに早くて2時間はかかるのでは?
 つめて読んでいると、眼の焦点がぼやけてくる。
五木寛之の趣味は、健康だとそうで、確かに、「選ぶ力」の中で、健康に関する記述がとても多い。
 それだけ本を読み、書く事を生業にしている人だから、眼の健康に気を使っている。
 手を伸ばして、指の先を見て、眼をずらして、100メートル先を見る。これを繰り返す作業をおこたらない。
 歯にも気を付けている。片方だけで噛むと骨格あ歪むので、両側で噛むように心がけている。
 人間の身体は、病んでいるのが普通で、病気を治すことは出来ない。
病気をおさめるための、それぞれにあった、方法を「選択」する。
 情報は錯そうして、意見はまちまちで、どれを信用すればよいか。医者も科学者も信用できない。情報過多のまちまちの情報振り回されて生きるのではなく、自分の身体と心のの要求にそって、つきあって、あれこれ試してみることが、五木にとって、「楽園」だという。
本の中で、わずかにでも参考になる文章を見つければ、大いなる収穫だ。
 斜め読みで良い。ふと気になる箇所があれば、そこを重点的に読むだけでもよい。
五木寛之の早読みに、挑戦してみて、そう思う。
 五木は、電車の中の棚に、読み終えた文庫をカバーをかけた状態で、置いておく。誰かが読むだろうと。読んだ本のことはそれで終わり。心に残ったもので、またあれが読みたいと思うと、探して再び買うのだ。見つからねば、縁がないと諦める。
風通しの良い生き方をしている。身につけるものは、自分の身体と心。
 一寸先も見えない、未来を描いてみても、そうなることは保証もないこのご時世だ。
3.11以後、人々の意識は変わった。地震がいつきてもおかしくない。
そういう中で、本当に価値あるものはないか。確かなものはなにか。
 今を生きる。今生きているということ。それを引き受けているのは、私の身体と私の心。
 我が身を治め、心穏やかに生きること、そのための方法論が」「選ぶ力」に盛り込まれている。

 100歳以上のお年寄りが50000人を突破したが、その中の80パーセントの人が寝たきりだとか。
 寝たきりで長生きはしたくない。
 だいたい、80から90までが、丁度良いと思う。

という五木の考え方は、私も確かに、と思う。

 元気で、頭もぼけないで、人に迷惑をかけすに、人間らしい人生を送れるのは、90までかなと思う。
 例外で元気な人は別として、そんな人はほとんどいないのだから。
 自分の足で歩いて、自分の口で食事をたべられて、好奇心もあって、趣味と言えるものを持っていて、
 ある日、静かに、というのが理想にならない確率はせいぜい、90までじゃないかな。


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Posted by アッチャン at 16:04│Comments(0)エッセイ
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