2006年12月12日

行ってみたい 

 http://shioya.shokokai-tochigi.or.jp/tokusyu/waki/waki.htm

 和気史郎画伯の実家の石倉をギャラリーにした美術館に行ってみたい。和気先生が、大阪の現代美術館で、展覧会を開催された時に、伺ったのがきっかけで、母は、絵画を何点か買わせてもらった。帝塚山のアトリエにも招いてくださった。先生がアルコール中毒で入院されていた時に、診てもらったお医者さんの家の二階がアトリエになっていて、炭火の囲炉裏を囲む広い部屋で、ろうそくの火を灯りにして描いていらっしゃるとか。
「夜中にぶつぶつ言うんですよ。ここを描き直してほしいとか。」と真剣なまなざしで話しておられた。
お医者さんから、奥様になられた方は、観世流の親戚とか。ミンクの毛皮を着た放漫な女性の絵は、奥様がモデル。アルコールを禁止されているので、紅茶に少し落とすだけ、と奥様にねだっておられた。
 銀座の和光で展覧会に出す前に、母は気に入ったのを分けていただいた。母にプレゼントの絵をくださって、
「いつでも遊びに来てください。一日中、一人で、絵を描いているので、退屈ですから。」
その時が、お元気なお姿でお会いした最後になってしまった。
天王寺のお寺でお葬式があり、棺には使っていた絵の具や、筆、本などが収められていた。
 「あの人に、裏切られました。」と奥様はおっしゃった。和気史郎を世に出す事に情熱を注いで来られた奥様、早すぎた死を、そういう言葉で表現されていたのだろう。

中国の船上で、現れる景色を、何枚も何枚も描き続ける様子を、同行した写真家からうかがった。
クレパス画などは、移りゆく風景を、一瞬の内に捉えて、すばやく描かれるとか。ベニスの夜の海に浮かぶゴンドラのある風景を描いたパステル画を、母はアパートの玄関口にかけていたが、神戸の震災で、大きく裂けて破れてしまったまま。ドイツのローテンブルグの小さなパステル画は無事だった。父が気にいるだろうから、と言って買った、ミンクの毛皮をまとった、裸婦の絵を、父は見ることなく亡くなった。和気先生の油絵は木枠で梱包したまま、以前に住んでいた場所に眠っている。
母がまだ、足腰の丈夫な内に、 一度、是非、ご実家の美術館をたずねてみたいと思っている。

http://www.bea.hi-ho.ne.jp/furukawa-ele/sub6-4.htm

和気先生について、書いていらっしゃる方のホームページを、添付させていただきました。


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Posted by アッチャン at 18:21│Comments(0)art
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