2009年04月27日

オペラガルニエ「オネーギン」



オペラガルニエ「オネーギン」


 オペラ座は、昔からある、オペラガルニエとオペラバスチーユの2つの劇場で、バレーとオペラに上演を分けている。
 ギャルリー、ラファイエット(デパート)でうろうろ見ての帰り、時間は7時を過ぎていた。オペラ座の前に、開演前とあって、人々が集まってきている。オペラ座前の広場で、奇声が聞こえた。スターでも待っているのかと、バス待ちの停留所から離れて、見に行くと、高校生くらいの女の子達が、一般の人を巻き込んでゲームのようなものをしていた。選ばれた人は、縄跳びをするだけのことなのだけど、勇気を出して、出てくる人に奇声で応援していると言う次第。
 

オペラガルニエ「オネーギン」

金曜日なので、混んでいるからと、買う気のなかったチケットなのに、お腹もぺこぺこで、頭もふらついているというのに、なぜか、まだチケットは買えるのか、と聞いてしまった。裏に回って、といつものチケット売り場ではない方を教えてもらった。
 チケット売り場に人が並んでいる。受付の人が、「チケットが残るかどうかわからないけど」と言って中に入れてくれた。
 バレーは、すでに始まっている。番が来て、窓口で、「6ユーロ」と言われた。
 安いので有り難いと思って買ったチケットは、案内されると、2階のバルコニー、喜んだのもつかの間、入ると、立って見ても、半分以上見えない場所だった。

オペラガルニエ「オネーギン」


 日本では、見えない場所、というのは聞いたことがない。パリでは、安い席というのは、何らかの欠点がある。ありがたがっていたが、あとで席を見ると、通常でも6ユーロなのだ。倍出せば、部屋の中で一番前列が買える。二番目はまだ座ってでもなんとか見る部分はあるけれど、3番目の列になると、立たないと見えない。真ん中に行けば、全体が見れるが、横の方は、奥に行くに従って、見えなくなる。
 シャンゼリゼ劇場のように、音楽なら、見えない席でも聞くことであるていど満足出来るけれど、バレーとなると、見えないと全く用を足さない。

オペラガルニエ「オネーギン」


 一幕目は、三分の一ほど見えた。休みになり、どこか見える場所はないかと探したが、満席だと言われ、2階へ上がる。チケットがどこになるかわからずにいたら、1幕で案内してくれた女性が、わかっているから、と扉を開けてくれた。
 そこは以前の部屋とは違っていて、前の場所よりもずっと良く見える。勿論3番目の奥の席なので、立ったままでないと見えないけれど、身体を傾けると、舞台の三分のニ以上は見える。

オペラガルニエ「オネーギン」


 バレーの舞台は、本格的なものは、昔、パリで一度、日本で一度一度、当時は、そんなものだと普通に見ていた。ところが、ある人のお稽古の発表会で、本部の専門家が特別に出演する、というようなものを見て、生徒よりは随分上手だと思っていたが、パリオペラ座の舞台とは、比べれば、下手の下手であったとしか言いようがない。

オペラガルニエ「オネーギン」


 さすが、本場のパリオペラ座の舞台を踏むバレリーナは素晴らしい。まるで絹が舞うように軽やかで、流動的でで、すべるように、鳥が舞うように、一部の隙も、重たさも全くない。ただ美しく、優美に、大胆に、軽やかに、人間の技とも思えないほど。
 「オネーギン」 という題なので、主役は男性のはずなのに、男は、プリマドンナをいかに美しく、大胆に、情熱的に、美しく舞わせる技にたけているかに、かかっているような気がした。それが男性バレリーナの最技量のようだ。そのためには、ものすごいエネルギーと力がいるのだろう。社交ダンスや、舞踏会でのダンスにしても、男性は、エスコート役で、いかに気持ちよく、上手に、女性を踊らせるかにかかっている。それがバレーにも通じている。今夜の舞台で、華麗に舞うプリマを最高に仕上げている、オネーギン役のバレーダンサー(マヌエル、レグリ)の素晴らしい技を見て、そう思った。

オペラガルニエ「オネーギン」


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Posted by アッチャン at 18:01│Comments(0)パリにて
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