2010年02月28日

真央ちゃんの涙


 真央ちゃんの涙


 真央ちゃんは、演技の終了直後、過酷なインタビューに、けなげに答えた。

 長かったけれど、あっという間に終わってしまいました。

涙が溢れた。こらえきれない悔しさ。

 悔しいけど、自分の出来ることは出来ました。

長くて、短いとは?

 と言う無神経な、質問。

わかるだろう。

 真央ちゃんは、時間に負けた。ショートの2分だったら、堪えられた。キム、ヨナが、真央ちゃんの素晴らしい演技と、大歓声の後、プレッシャーを跳ね返して、見事な演技を出来たように、それ以上に真央ちゃんは強靱だっただろう。
 キム、ヨナが、フリーの演技を終えた時、真央ちゃんは、必死で耳に音楽をあてていた。点数はみないようにしていたが、歓声は聞こえていた、と言っていた。
 表情は、固く、険しいものだあった。

 真央ちゃんは、氷に立つと、張りつめた緊張の中で、トリプルアクセルを、連続で成功し、キム、ヨナを越える演技だった。
ショートのタイム2分なら、完全に、真央ちゃんは金メダルを手にしただろう。
 長かった。緊張の糸が、切れた。張りつめた力の疲れが。 
 4分間という長さも、キム、ヨナから受けたプレッシャーがなければ、練習通り、完璧な演技が出来た。それが出来るだけ、練習に練習を積んだ。練習では成功していたのに、本番では失敗してしまう、という可能性を100パーセント無くするまで、身体にたたき込んだ。

 金でなくても、金の値打ちの銀だから、と努力とは無縁の人間達は慰める。立派だと尊敬する。

けれど、真央ちゃんに取って、キム、ヨナに負けた事、金を取れなかったは、皆無に等しい。4分間という時間の長さに、自分の精神力が折れ、疲れが出たことが、くやしくてたまらない。

 そして、今までの長く、辛い練習で、パーフェクトな形で、演技を出来なかった。たった4分で終わってしまったことの短さ。
 終わってしまった。やり直しのきかない4分間。

 真央ちゃんに、課せられた演技は、肉体改造をして、筋力をつけ、肉体を極限までいじめぬくことを必要とする演技だった。
キム、ヨナのように、優雅で、流れる演技なら、緊張が身体に出なかっただろう。
 激しい体力を要求される演技、プレッシャーをはねのけるには、4分間は、あまりにも長すぎた。気の多くなるような長い時間。
真央ちゃんは、時間の重圧に負けた。


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Posted by アッチャン at 09:36│Comments(0)日々の事
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