2010年06月12日

政治を科学するということ

 政治を科学するということ

鳩山総理が、小沢幹事長を道連れに退陣した。8ヶ月間の短命内閣であったが、時間は随分長く感じられた。それほど、多くの話題が、毎日、マスコミの手によって、報道されたということだろう。
 野党時代に、民主党は、自民を批判し、追求していれば良かったのだが、一夜にして、追求される側になれば、自民は、民主党へ反撃を開始した。
政治には、金がつきものであることを、一番よくわかっている、自民党は、そこに目を付け、トップの鳩山さんと小沢さんを「政治と金問題」で、潰しにかかった。検察とマスコミを抱き込んで。
 マスコミは、おもしろい記事になり、視聴率をあげることにやっきになっている。それが死活問題なのだから。
 鳩山総理は、政治を科学する、という理想をかかげ、実地実験で失敗し、座を降りることになった。政治を科学する、とは?
 様々な分子が、それぞれに力を発揮することで、衝突と競合を繰り返しながら、よりよい形に、統合されていく、という意図をいだいたのではないか、と私は思う。
 つまり、それぞれの役目を担われた、鳩山総理を支える閣僚達が、独自の力と経験を踏まえて、創造的な政治を模索し、努力し人間力学を活用して、それを統合して、最後にまとめるのは、鳩山総理の決断にしようと。
鳩山総理の政治運営は、今の所、失敗に終わっているので、管政権に取って代わった。
 小沢さんは、こうなるであろうことを、百も承知だったのではないか。

 今の民主党議員の技量では、とても官僚に立ち向かえないと以前から、断言していた。
政策に口を出さない、という方針で、小沢さんは静観していたが、思いあまって、時々、助っ人を出す程度だった。
 
 鳩山総理は、グアム移転を理想としていながら、その意志をくんで、アメリカと交渉すべき、外務大臣の岡田さん、、防衛大臣、北沢さんは、すでに、最初の段階から、外交官僚の意向に飲み込まれ、他への移設は難しい、というコメントを出していた。

 出来たかもしれない、県外移転だった。先送りすることで、結論を出さなければ、いずれ、独りでに解決が見つけられたであろう。それが政治を科学するやり方だ。

 小沢さんの著書の中で、政治家主導というのは、政治家が、官僚以上に勉強して、知識を蓄え、官僚を働かせて、使いこなせければならない、と言っている。

 今回、一躍、名を知られるようになった、樽床さんは、
「野党時代は、いくら要求しても出てこなかった資料が、与党になると、すぐに出てくる。情報がこれほど、安易に、早く出てくるとは、まったく驚いた。」と言っている。

 小沢さんは、自民党政権で、次期総理と言われるまで、登り付けていた人だから、、そういうことは百も承知していたこと。与党になれば、政治を変えられる。しかし、官僚の壁は厚い。そこをどう乗り越えられるかで、真の民主政治を実現できるか、否かが決まる。

8ヶ月という短い期間ではあったが、鳩山政権の挫折は、政治と金、の問題もあるが、
 周りの大臣達が、官僚の意のままに使われている、という情けなさにあると思う。
 出来たかもしれない、国外移設、県外移設であった。これからでも遅くはない。沖縄の人々の、長く苦しい道のりを思えば、8ヶ月は、あまりにも短かすぎる。

 小沢さんが、先頭に立っていたならば、この問題で、アメリカに譲歩せずに、第三の道を提案出来たのではないだろうか。

  小沢さんを排除し、幹事長をやめたことで、民主党の支持は、V字型回復している。選挙で、勝つこと、小沢さんの頭には、今の所、それしかない。

 菅さんだけの無投票当選ではなく、樽床さんを立てたことは、実に効果的であった。
民主党には、テレビなどで顔を売っていない人の中に、明日を担うしっかりした議員がいることを、私たちは、知ることが出来た。

 この8ヶ月間で、民主党が唯一国民から、点数を稼いだのは、事業仕分け、だった。この事業仕分は、国民の目に、天下りや無駄な税金の使われ方を、明るみに出すということで、
 評価は出来るものの、民主党議員が、今までの経験を生かした、野党的な攻撃のパフォーマンスに終わり、結果が出ていないことも確か。削られべき所が削られなくて、サービスの低下を招いているという実態が指摘されている。法律を変えなければ、拘束力がない。これでは、暴露しただけ。政治を行ったことにはならない。

鳩山総理の、「思い」と現実の「壁」と同じだ。

選挙後、今度の閣僚達が、管総理のリーダーシップの元に、人間力学をどのように、有効に、現実のものとして発揮出来るのだろうか。
 官僚を旨く使いこなすことが出来なければ、小沢さんが、自ら先頭に立たねばならなくなるだろう。それが出来れば、小沢さんの今までの苦労は、報われる。そのためには、脱小沢、政治家小沢を超える存在としての、有能な政治家が育っていなければならない

 政治は権力闘争だ。既得権力を固持しようとする権力から、民主権力を奪還するための、権力闘争である。沖縄の民意が通らなかった、ということは、民主権力の敗北を意味している。
 政治は、利権闘争だ。官僚の利益から、国民の利益への闘争だ。突き詰めて言うと、お金の奪い合いなのだ。きれい事ではすまされない。
 


同じカテゴリー(コラム)の記事画像
椿姫
安倍政権は戦争の出来る国へ
集団的自衛権とは
オバマ大統領の来日とTPP交渉
若者の田母神氏支持
原発廃止に向けて、戦いはこれから増大する
同じカテゴリー(コラム)の記事
 椿姫 (2015-07-26 16:21)
 安倍政権は戦争の出来る国へ (2015-01-22 13:32)
 集団的自衛権とは (2014-05-22 15:44)
 オバマ大統領の来日とTPP交渉 (2014-04-25 12:33)
 若者の田母神氏支持 (2014-02-17 12:06)
 原発廃止に向けて、戦いはこれから増大する (2014-02-10 13:33)

Posted by アッチャン at 17:06│Comments(0)コラム
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。