2010年02月26日
認知症を閉じ込めている現実

確定申告に行った。
3月15日までだけど、近くの会場が、2月中しか開いていないので、早めにすませた。会場は空いていて、すぐに会場内に入れた。いつも番号札を出して、待つのが当たり前だったが、自宅で、Eータックスを勧めているので、それを使う人が増えたのだろうか。
去年、友人から、配当金で徴収されている税金が、申告すれば戻って来ると聞いていた。 今年、初めて、配当支払い証明書が来ていたので、配当金明細書を持って行って、
還付申告をした。
終わって、まだ4時なので、ついでに母に会いに行った。
晴れていた空に、雨雲が広がり、お天気がくずれそう。
三笠とベルギーワッフルを母の分だけ買った。おやつの時間はとっくに過ぎているので、母のタンスに入れて帰るつもりで。
社長の娘さんがいて、母のハンガーラックを取り除いてほしい、と言う。
娘さんが、当直の日に、翌朝、母が起きて来ないので、部屋を開けようとしたら、ハンガーラックで、扉が開かないようにしている。大声で呼んでも、母は聞こえない。
危険だから、というのだ。
母はハンガーラックが無くなっても、椅子で、扉が開かないようにする。用心深いので、寝ている間に、誰かが入ってくるのを警戒する。
母が一人で、マンションに住んでいた時も、チェーンをかけているので、合い鍵を持っていても、入れないことが多かった。
倒れていたら、入れないから、チェーンはかけないようにして、と私は、良く言ったものだった。
認知症の母が、今、そういう注意を、その時は「はいはい。」とわかっても、すぐに忘れるから無駄。幾ら言っても、バリケードを作る。
夜中、起きているらしく、朝、おそくまで寝ていることが多いらしい。
母は、元気な感じで、お化粧をしていた。その日によって、母顔つきに差がある。
「あら、どうしてたの?そろそろ来るかなと思ってたところ」母言う
「おとつい来たでしょ。」
妹夫婦にその娘と赤ちゃんを誘って、一緒に「サンマルク」で昼食を取ったことを忘れてはいるが、余韻が残っているのか、それとも、公園を散歩したのが気持ち良くて、また行きたいと待っていたのだろうか?
いつものように、財布を探して、箪笥の中をごそごそしだした。
舟木一夫の写真集をみてはしゃぎ、息子の写真を見ては、「何時帰ってくるの?あなた、嬉しいわね。帰って来たら、一緒に住むの?」いつもの母のせりふ。
上着を着て、バッグを持って、
「美味しいものでも食べに行きましょう。」
「今日は、だめ。もう夕食の時間だから。明日にしましょうよ。」と私が言うと、
「たいして、お腹が空いていないから、いらないわ。ここは美味しいものなんて、ないから。」と母はタンスの中を、ごそごそ。また、財布を捜している。
私が入れた、三笠とワッフルの袋を開けて、
「これ持ってきてくれたのね。」
何度か、この行程が繰り返される。
時計はそろそろ5時、面会時間が終わる。
4階のヘルパーは一人しかいない。食事を運ぶのに精一杯なので、エレベーターの鍵を開けてもらえない。
母は、私と一緒に出かけるつもりでいる。
「そこまで一緒に行くわ。」
母は食卓に座ろうとしない。
夕食が全て運ばれ、入居者は食べ始めている。
ひどくお粗末な、おかずだ。
皆、黙って、下を向いて食べている。
母に、座って、一緒に食べるように勧めても、私に食べさせようとして、食事を私の前に移動させる。
向かいの女性が、額にしわを寄せ、難しい顔で母をたしなめた。
「早く食べなさい。いつまでも片づかないわ。」
仕事が一段落したので、ヘルパーが、エレベーターに鍵を入れて開けてくれた。
母は、立ち上がって、ついてついてこようとしている。
私は、あわてて、エレベーターに。
階下に、二人、ケアーマネージャーとヘルパーがいた。話込んでいたらしい。娘さんの車はあるが、いない。
先日妹達が帰ってから、二人で、公園を散歩して、ベンチに座り、レストランの残り物のパンをちぎって、雀にやると、たちまち鳩が寄ってきて、雀は、押しやられた。
「ちっこい方が可愛いわ。大きなものはのさばって、偉そうに、いばって、嫌い。小さい鳥や、小さい子供が好きだわ。私も小さいから。」
公園で、遊ぶ子供達を目で追って、眺め、母はとても喜んでいた。
「まだ、歩けるし、出てこられるからいいわ。 死んでしまったら、こういうことも出来なくなるわ。」母は言う。
母に、もう少しでも快適に、気持ちよく暮らせる方法はないものだろうか。そういう施設はないのだろうか。
先日、母の部屋の窓が開かないので、開けてほしいと頼んだ。
入居者が、出て行こうとするので、鍵をかけている、とのこと。
母の窓は、消防の入り口になっている。
火事が起こったら、危険だ。石油ストーブを炊いているのも不安だ。
認知症だからと言って、隔離して、閉じこめていれば、職員はやりやすいだろう。が、それは間違っている 。3人の規定なのに、二人か一人できりもりしているので、身体と心のケアーが出来ていない。
母がそういう生活を、この先10年続けるとしたら。私は、やり場のない怒りで、上げられないお拳を、どこに向ければ良いのだろうか。
Posted by アッチャン at 17:12│Comments(0)
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