2008年03月20日

パリ市近代美術館

 

   ギメから歩いて5分の所に、パレ、ド、東京とパリ市立近代美術館がある。近代美術館は、パーマネントコレクションは何時行っても無料なので、ここにある、デュフィーの部屋を見に行くだけでも足を運ぶ価値はある。大円型の部屋の壁一杯に、絵が描かれていて、ブルー、赤、緑への色の美しさ、音楽団が音楽を奏で、回りには賢人、芸術家、政治家、哲学者や、文人など、名前入りで沢山の人間が描かれていて、音楽堂になっている。 地下には、マチスの部屋がある。コレクションは、年代順になていて、60年までの国境なき世界感にもとずいた作品、60年以降の政治的イデオロギーの作品というのが成る程と おもしろかた。

 


 この美術館が買い上げた作品と、画家の献上品とを比べながら見るのもおもしろい。
コレクターの寄贈品を見ると、その人の好きな傾向が見える。
 画家のアトリエでの姿を絵画にしたものを見るのも楽しい。
アトリエでのマイヨール、アトリエでのボナール、など。


 


ボナールの絵画は、近づくと何を描いているのかわからない。ほとんど抽象的なのに、距離を置くと、はっきり見えてくる。絶えず、距離を移動しながら描いているのだろうか。アトリエでのボナールは、距離を置いて絵画を 見ている絵だ。
 ピカソとブラックの絵画を見比べる。どちらの絵も良い。ブラックはグレーが主体になっていて、落ち着いた色合いがいいなあ、など。モジリアーニと隣にかかっていた、肖像画には、共通するものがあるように見えた。同じコレクションだった。
藤田嗣治の絵画が一枚ある。これは画家による寄贈品で、買い上げたものではなかった。キキ連れて、パリの寵児になっていた頃の作品で、彼の作品の黄金期のものだ。




  

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2008年03月20日

ギメで、江戸企画、日本映画

 

 



 ギメ美術館は、「江戸」というタイトルで、日本の歌舞伎、映画、文楽などを取り上げていて、水曜日に、溝口監督の「雨上がりの朧月夜の話」という1952年にベネチア映画祭に出品された映画を上映するというので、再びギメに行った。
 入場料は4ユーロだった。トイレに行っている間に、映画はすでに始まっていて、会場は満員で、階段にも人が座っていた。一旦はそこに座っていたが、最前列は少し空きがあるようなので、移動すると、、2番目の端が幸い一つだけ空いていた。
 画面が大きいので見にくいけれど、声が良く聞こえる。階段では聞き取りにくかったから。
 琵琶湖のほとりで焼き物をして暮らしている夫婦と子供、畑を耕して暮らすその弟夫婦がいる。戦争で焼き物が売れ、妻に小袖を買ってやれるようになると、お金ほしさに、人が変わったように陶器作りに精を出す。長浜に売りに行き、弟は売れたお金で槍を買い、兵士に志願する。置きざりにれた女房は、野武士達に犯される。敵の大将の首を手に入れ、出世をしたので、故郷にいる妻の元に帰る道すがら、女郎館に寄って、女房に出会う。
 一方女房子供を置いて来た焼き物師は、美しい姫に焼き物を買うので届けてほしいと言われる。そのまま、その男は姫の虜になり、結婚するはめに。やがて僧侶が出てきて、恐ろしい死の相が出ているので、せめて命が助かるようにと体にお経を書いてくれる。
 その姫は、恋いも知らずに、城主の父親と共に焼け墜ちた亡霊で、男を死の国に引き連れようとしていたが、なんとか男はお坊様のお陰で助かり、目が覚めて女房子供の所に帰る。家は荒れ果てているが、女房が迎えてくれる。寝ている子供のそばで眠るにつく。朝が開け、子供を預かっている親戚がやってくる。急に子供がいなくなったので、と。さすが、父親が帰るのを感づいたのだろう。
 母親は、落ち武者に斬り殺されたと男に告げる。 
女房の声が聞こえる。
「私はいつまでもあなたのそばにいます。こうしてろくろのお手伝いをしているのが幸せです。」轆轤が廻っている。男は轆轤の上で陶器を形作っている。以前に女房が轆轤を回していたように。
 弟夫婦は、再び畑に精を出して働いている。お椀をもらった子供は、母親のお墓に供えて拝んでいる。のどかな山里の風景が広がる。

 映画の始めに、おぼろ月夜にお金持ちになりたい、侍になって出世をしたい、と夢を語っていた4人が、人間の幸せは、そうい


う所にはなかった、大切な物を失ってしまった、平凡な日々の営みの中に、思い合う心の中に、はかない人生の幸せがある、ということをこの映画は表現しているのだけれど、人間の欲望とはかなさ、哀れさ、その奥に能の世界がある。空蝉の、幽玄の世界を表現してる。それ故に、これだけ多くのフランス人達がこの映画を見たいとやってくるのだろう。
会場を出て、案内の看板を写していると、初老のフランス人が、ほしいのならあげましょうと。係の人がポスターにしている印刷の紙をはずしてくれて、「この人はここのシェフです。」と。つまりギメ美術館の現館長だった。



 
 水曜日は、学校が午後から美術館での課外授業になっているらしい。館内では、ガイドさんも沢山出ていた。この間、ゆっくり見ていなかった所をもう一度、と思って見て回った。日本はやはり素晴らしい。マリーアントワネットが母親からもらって使っていたという日本の蒔絵が素晴らしい。
富岡鐵才の屏風が4点ほどあって、どれも見事な筆使い、遊び心もあり、豪快名作品ばかり。光悦様用の注文品の茶碗など、じっくりと見ると又、楽しい。
 
 驚きは、アフガニスタンの美術だった。この前来た時にも、ガラス工芸の美しさや、顔の作りの美しさに惹かれていた。2世紀にはグレコ、3世紀になるとブディズムになる。アフガニスタンの美術は、どれも素晴らしく高度なものだ。  

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2008年03月20日

DIANA DAMROW

 

 


 火曜日の夜、シャンゼリゼ劇場で、DIANA DAMROWというソプラノ歌手が、モールアルトとサリエリの曲を交えて、歌った初めてのコンサートがあった。
オーケストラ、パリ、アンサンブルの演奏で、オペラの良く聞く、楽曲があり、次にソプラノ歌手の歌を交えての演奏という2つの組み合わせで進行する。
 指揮者は中国人のようで、Josheph Swensen という人で、情熱な指揮者だった。
 ソプラノ歌手の声が素晴らしく、楽器の用で、歌唱力も抜群、その上、若くて美しい人だった。オレンジに近い赤いドレスが華やかだった。最初に自分のギャラリー番号に鍵がかかっているので、叩くと、中に座っている人が、下の空いた所に行けば良いと言う。

 

 下に降りて、座ってもいいのかと訊ねると、空いたところに、と言われた。
休みを挟むと、オーケストラの空いた所は詰まり、二階も詰まっている。皆が移動しているようだ。私も更に階下の第一バルコニーに移動した。
彼女が途中で歌をやめた。指揮者は、第一バイオリン奏者に何か言っている。クラリネット奏者が入ってきた。ごめんなんさい、という合図をして。ソプラノ歌手はもう一度始めたから歌う。笑いとハプニングが起こった。 


 演奏会は大成功で、アンコールがやむことなく続き、4曲も歌ってもらった。客が帰らないで、拍手が続いたからだ。

終わって帰ろうとすると、下で人が固まっている。なにかと思うと、ディスクを買っている。私も1枚買って帰ろうかと思うと、皆が待っていたのは、今夜の歌姫だった。並んでサインをしてもらうために。彼女が現れ、私も買ったディスクにサインをしてもらうのに並んだ。前で並んでいる老人がいて、手に新聞のようなものを持っている。体から何とも言えない異臭が漂って来る。長い間、お風呂も入らず、衣服も変えず、すごい匂いだ。

 


 彼の番になり、ソプラノ歌手に、長い間話しかけ、興奮した様子だった。背の高い老人で。背中が曲がっていても大きな人だ。雑誌のような所にサインをもらっていた。皆、随分感激した様子で、歌手と話をして行くので、なかなか時間が廻って来ない。
 11時をとっくに過ぎて、アルマ橋の地下鉄駅に着いたのは11時半だった。
彼女のこれからの活躍が楽しみだ。こういう素晴らしい声を聞くと、シャンゼリゼ劇場に出る人は違うなあ、と思う。
 6月13日に、小沢征爾さんが、水戸オーケストラを率いて、シャンゼリゼ劇場で演奏する。きっと観客を興奮させてくれるだろう。紹介に、ボストンで長く音楽監督を務め、日本では斉藤記念と水戸に力を注いでいる。日本で最高のオーケストラを率いてやってくると書いていた。
  

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2008年03月20日

DIANA DAMROW

 

 


 火曜日の夜、シャンゼリゼ劇場で、DIANA DAMROWというソプラノ歌手が、モールアルトとサリエリの曲を交えて、歌った初めてのコンサートがあった。
オーケストラ、パリ、アンサンブルの演奏で、オペラの良く聞く、楽曲があり、次にソプラノ歌手の歌を交えての演奏という2つの組み合わせで進行する。
 指揮者は中国人のようで、Josheph Swensen という人で、情熱な指揮者だった。
 ソプラノ歌手の声が素晴らしく、楽器の用で、歌唱力も抜群、その上、若くて美しい人だった。オレンジに近い赤いドレスが華やかだった。最初に自分のギャラリー番号に鍵がかかっているので、叩くと、中に座っている人が、下の空いた所に行けば良いと言う。

 

 下に降りて、座ってもいいのかと訊ねると、空いたところに、と言われた。
休みを挟むと、オーケストラの空いた所は詰まり、二階も詰まっている。皆が移動しているようだ。私も更に階下の第一バルコニーに移動した。
彼女が途中で歌をやめた。指揮者は、第一バイオリン奏者に何か言っている。クラリネット奏者が入ってきた。ごめんなんさい、という合図をして。ソプラノ歌手はもう一度始めたから歌う。笑いとハプニングが起こった。 


 演奏会は大成功で、アンコールがやむことなく続き、4曲も歌ってもらった。客が帰らないで、拍手が続いたからだ。

終わって帰ろうとすると、下で人が固まっている。なにかと思うと、ディスクを買っている。私も1枚買って帰ろうかと思うと、皆が待っていたのは、今夜の歌姫だった。並んでサインをしてもらうために。彼女が現れ、私も買ったディスクにサインをしてもらうのに並んだ。前で並んでいる老人がいて、手に新聞のようなものを持っている。体から何とも言えない異臭が漂って来る。長い間、お風呂も入らず、衣服も変えず、すごい匂いだ。

 


 彼の番になり、ソプラノ歌手に、長い間話しかけ、興奮した様子だった。背の高い老人で。背中が曲がっていても大きな人だ。雑誌のような所にサインをもらっていた。皆、随分感激した様子で、歌手と話をして行くので、なかなか時間が廻って来ない。
 11時をとっくに過ぎて、アルマ橋の地下鉄駅に着いたのは11時半だった。
彼女のこれからの活躍が楽しみだ。こういう素晴らしい声を聞くと、シャンゼリゼ劇場に出る人は違うなあ、と思う。
 6月13日に、小沢征爾さんが、水戸オーケストラを率いて、シャンゼリゼ劇場で演奏する。きっと観客を興奮させてくれるだろう。紹介に、ボストンで長く音楽監督を務め、日本では斉藤記念と水戸に力を注いでいる。日本で最高のオーケストラを率いてやってくると書いていた。
  

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2008年03月20日

教会での無料のコンサート




 土曜と日曜日には、あちらこちらの教会で、コンサートが催される。夕方の6時から、パリ市庁舎の近くにある教会でのコンサートを聞きに行った。大きな地図で辺りをつけておく。
 今日のコンサートは、パリ4大の主催で、コーラスが入り、テレマンの作品で、日本人のソプラノとフランス人のバリトンの歌が入っている。演奏はたいしたことはなかったけれど、パイプオルガン奏者が素晴らしかった。
 日本人の岡田清子さんという人のソプラノが良かったので、盛大な拍手をもらっていた。教会の中なので、音響効果も良い。コーラスがはいると、荘厳さが加わり、盛り上げてくれる。

 

 演奏会が7時過ぎには終わり、外に出ると大雨だった。それから、この前に行ったアメリカ教会での8時からのコンサートを聴くために、地下鉄に乗り、アンバリッドで降りると、地下鉄の線が違うので、セーヌ川の道を探すに人に尋ね、相当歩いて、やっと会場につくと、今夜は、若い者達のパーティー会場になっている。会場は、アメリカンカテドラルの方で、アルマモルソーに近く、そこから大分歩いて行かねばならない。雨の中を、アルマ橋まで歩き、バスで一駅乗って、そこからカテドラルが見えているけれど、歩くと結構あるような感じがする。
 カテドラルは立派なもので、コンサートはすでに始まっていた。中国人女性、Han-        Lin Lianの第一バイオリン、韓国女性Hyun-Ji You
の第二バイオリン、アルトにドイツ人の男性が加わり、チェロ奏者も中国の女性だった。素晴らしい演奏で、パンフレットを見ると、大阪の国際音楽祭で、毎年賞を取っていたらしく、スタットガルトのJade 四重奏楽団という名前だった。
 モーツアルトと、Schoenberg、Weben, Weigl の作品を演奏していて、モーツアルト以外、私は知らない作品ばかり。
 2部は、中国人のソプラノ歌手の歌と演奏だった。ソプラノ歌手はやせて細い人で、声は透明で素晴らしいけれど、演奏に消されて、あまり通らない。



 Evelin Chin-Yihという人で、(www.eccmusic.info)キャリアが長く、ニューヨークのコロンビア大で教えていた人でもあり、大学で教えている人とか。
髪が白髪交じりで、真っ赤なチャイナ服がよく似合う人だった。
離婚した女性が子供と離れることが出来ずに、再び夫の元に戻る決心をするという、苦しみに満ちた歌を、表現豊かに、透き通った声で歌い上げる。演奏がもう少し、押さえた方が良かった。終わるとあまり拍手がなくて、しばらくしてから出てこられた。アンコールがなく、寂しい感じだった。演奏会は結構長く、2時間以上なので、、帰りを急ぐ人も。
四重奏団は、アジアを始め、世界で毎年演奏会を行っているとか。

  

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